太田 敏彦
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『猫背』について、あなたはどんなイメージをもっていますか?
カッコわるい印象…!?
2少なくとも聞こえは良くない…
いずれにしても、あまり良いイメージではないですよね。
猫背は、姿勢が崩れている状態ですから、そもそも姿勢が悪いのは良くないことだと、私たちは昔から教わってきました。
また実際に、姿勢が悪い人は、良い印象をもたれることはありません。
そのため、猫背の自覚がある人は、自分の姿勢は良くないと思っているケースは意外と多かったりします。
ただ、特別な病気ではないからと、日ごろから猫背を改善するためになにか対策をしている人は、少ないのではないでしょうか。
あなたはどうですか。
猫背は、見た目や印象に影響を与える以上に、健康上の問題も多く引き起こします。
ですから、身体や健康上のトラブルが起きていないうちに改善しておくのがベストです。
ここでは、なぜ猫背を今すぐ改善した方がいいのか、そのメリットや、放置しているとどういう健康上の問題につながっていくのかを解説していきます。
この記事を読むことで、いますぐ猫背を改善した方がいいと思う人が少しでも増えたら嬉しいです。
猫背を改善すれば、肩コリ・首コリが解消!
まずは、下の写真を見てください。
なぜこの写真を見ていただいたのかというと、猫背を改善するために知っておいてほしいことが2つあったからです。
一つは、猫背といっても、たくさんの種類があるということ。
そしてもう一つは、猫背の場合、たいていは頭の位置が前方にあるということ。
ここでは、2つ目のポイントをもう少し説明していきますね。
そもそも頭の位置が前方にあると、どういうことが起こるのでしょうか。
頭の重さは、成人でだいたい4〜5kgあると言われています。
だいたいボーリングの球くらいの重さですね。
いいですか、ボーリングの球くらいある重さの頭部が、前方にあるということは、常に前側にその重さ分の力が働いていることになります。
その重さを支えているのは、『肩』や『首』ですよね。
つまり、猫背で頭の位置が前にあると、常に首や肩の筋肉がずっと、4,5kgのものを持ち続けているということです。
これでは、肩コリや首コリになっても仕方ないですよね。
肩コリや首コリの原因が『姿勢』なんて言われていますが、こういった原理で肩コリや首コリになってしまうんですね。
逆にいえば、猫背が改善すれば、肩コリや首コリの解消にもつながります。
普段、肩コリや首コリに悩まされているのであれば、今すぐ猫背を改善しましょう!
姿勢が改善して疲れにくい身体を獲得!
疲れにくい身体になるというのも、猫背を改善するメリットの一つです。
肩コリや首コリが解消できる原理と同じですが、猫背が改善するということは、姿勢が良くなるということです。
姿勢が良くなるということは、筋肉に余計な負担がかからないということですから、疲れにくい身体づくりにもつながります。
疲れにくい身体というと、私たちは、どれだけ激しく動いても、疲労を感じない身体とイメージしてしまいます。
そのため、走りこんだり、トレーニングをすることで体力アップをはかろうとしてしまいますが、決してそれだけではありません。
いや、むしろ猫背の状態で走り込んだり、トレーニングをすることで逆にケガのリスクは高まります。
疲れにくい身体を作るには、まずは猫背を改善してから、走り込みやトレーニングなどのフィジカルアプローチを考えるのが正しい順番です。
それによって、トレーニング効果も高まるので、鍛える順番を間違えないようにしてください。
猫背が解消すると印象がアップ!
「人は見た目が9割」という言葉を一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
それがいいかどうかは別にして、人は、外見の第一印象で、どういう人なのかを判断します。
実際に、私たちが最初に人を判断するために飛び込んでくる情報は、視覚情報が先にきますよね。
ですので、視覚情報をより重要なものとして扱うようになっているんですね。
また、こういった話のときに、よく例えとして出されるのが、『メラビアンの法則』です。
メラビアンの法則ってご存知ですか?
メラビアンの法則というのは、人とのコミュニケーションの中で、何か矛盾したメッセージを聞いたときに、何をもとに、それが正しいかどうかを判断するのかといったというのを調べた研究で、わかったことです。
私たちは、『視覚情報55%、聴覚情報38%、言語情報7%』くらいの割合で判断すると言った法則です。
ちなみに、視覚情報とは、『話している人の見た目や表情、しぐさ』です。
そして、聴覚情報は、『話すときのトーンや声の大きさ』で、言語情報は、『話している内容』になります。
要は、『話す内容』よりも、『話している人の見た目や表情、しぐさ』の方が圧倒的に、聞き手に影響するということです。
例えば、下世話な例えですが、付き合っている人の浮気を確かめるときに、相手がいくら『浮気してない』なんて言っても、もし話しているときの表情やしぐさに違和感があったら、どうですか?
「浮気していない」といった内容よりも、その仕草や話している時のそぶりなどの視覚情報を優先しませんか?
そんな例を出さなくても、『猫背の人』と『姿勢のいい人』を、もし話す前に比べるのであれば、『姿勢のいい人』の方が、ポジティブな印象をもたれる確率が高いのは、感覚値でも納得できると思います。
ですから、猫背でいること、姿勢がよくないことというのは、知らない間にあなたの印象を落としていたり、話している内容の受け取られ方を決めているという点で、かなり大きく影響しています。
とてももったいないことなので、やはり姿勢は良くしておくに越したことはありませんね。
猫背を改善してストレス耐性アップ
実は、猫背を改善することで、ストレス耐性もアップします。
これについては、知らなかったという方も多いのではないでしょうか。
猫背については、けっこう有名で、面白い研究がオークランド大学で行なわれているので、それを紹介しておきます。
Do slumped and upright postures affect stress responses? A randomized trial.
簡潔に、どんな研究だったのか説明しておくと、74名の学生を2グループに分けて実験しています。
一つ目のグループは、背筋を伸ばして5分間のスピーチと暗算テストを、もう一つのグループを猫背の状態で5分間のスピーチと暗算テストをおこなって、心理チェックや心拍数・血圧などストレスレベルの測定をおこなったんですね。それで結果は、どうだったのかというと、
- より自信を持ってスピーチができた
- ストレスレベルも低かった
- スピーチの内容もポジティブだった
といった結果が出たそうです。
自信を持ってスピーチができるというのは、分かる気もしますが、ストレスレベルや、スピーチの内容まで影響してしまうというのは、すごいですよね。
どうしても自分に自信を持てない、日頃ストレスの強い仕事をしている、そんな方は、まず猫背から改善してみてはいかがでしょうか。
猫背を改善して、肩疾患や腰痛を予防!
実は、猫背は、肩や腰の疾患リスクの一つになります。
四十肩や五十肩、胸郭出口症候群などの肩の痛みはもちろん、腰痛にも実は大きく関係しているんですよね。
なぜかというと、猫背はただ単に姿勢が悪いといっただけの表面上の問題ではないからです。
この写真からも分かる通り、猫背にもいくつか種類があって、しかも肩周りだけではなく、体幹部や骨盤、ひいては下半身の筋肉まで関係してきます。
僕もパーソナルトレーニングでクライアントの方から、特に肩に痛みがあるという場合、まず真っ先に見るのは姿勢で、そのあとに、各関節の機能や、筋力バランスのチェックに入ります。
もし腕を回したり、上げたりすると痛いなどの、肩の疾患や腰痛に悩まされているのなら、猫背になっていないかどうかをチェックするのも大切です。
たかが姿勢といって、あなどっていると、やがては痛みにつながって、生活の質を下げかねないので、日頃から気をつけていきましょうね。
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