腸腰筋を鍛える2つのおすすめのトレーニングと鍛える時の注意点

腸腰筋を鍛える2つのおすすめのトレーニングと鍛える時の注意点
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太田 敏彦

【全米スポーツ医学協会公認のパーソナルトレーナー】【動作改善のスペシャリスト】 順天堂大学スポーツ健康科学部卒業。 卒業後、身体をより良くするためには、なぜ人の身体が壊れるのかを知らないといけないと考え、オリンピックトレーナーの治療院で経験を積む。 その後独立。 そういった経験から、ただ魅せる身体作りをするのではなく、『スタイリッシュでかつ動ける身体』づくりをサポートするため、パーソナルトレーニングやセミナー活動、当サイトFit Axisメディアを運営している。分かりやすいトレーニング指導とコンディショニング整体を組み合わせる効率的なパーソナルトレーニングセッションや、豊富な事例から導き出されたセミナーが実践的だと好評。過去には最大700名の前でのセミナー実績がある。

腸腰筋という筋肉を聞いたことがありますか?

腸腰筋は、身体の深部にある筋肉で、私たちの日常生活にとても深く関わっています。


この筋肉が弱くなってくると、何もないところでつまずいてしまったり、歩くことも難しくなってしまいます。


それだけではなく、腸腰筋は下っ腹が出やすくなるなどの体型面や腰痛にも影響してくるので、決して無視することはできません。


そこで、この記事では、腸腰筋についてこれだけは知っておきたい基本的なことや具体的なトレーニングやストレッチメニューを紹介していきます。

いまさら聞けない腸腰筋の基本情報

腸腰筋は、メディアで取り上げられることも多い筋肉であるため、一度は聞いたことがあるかもしれません。


しかし、聞いたことがあっても、なんとなくしか分からないという人も多いのではないでしょうか?


仮に聞いたことがあっても、イメージが漠然としていると、効果的に鍛えることはできません。

ここで一緒に、腸腰筋について知っておきたい基本情報だけおさらいしていきましょう!


まず腸腰筋とは、股関節の前側にある筋肉です。

もう少し詳しくいうと、下の写真のように、腸腰筋は2つの筋肉の総称です。

1つは大腰筋で、もう一つは、腸骨筋ですね。

腰の部分や骨盤から、太もも(上部)に付着している筋肉になります。

そのためこの筋肉は、太ももを前にもち上げたりするときに使われます。


テレビや雑誌で、走るのが速い人ほど、腸腰筋が強いと言われているのは、こういった理由のためです。



また、腰痛にも腸腰筋が大きく関係すると言われたりしますが、それはこの腸腰筋(特に大腰筋)が腰についているからですね。

腸腰筋を鍛えるおすすめのトレーニングメニュー

腸腰筋を鍛えるトレーニングメニューは、たくさんありますが、その共通するところは、太ももを持ち上げるという動作です。


なぜなら太ももがお腹に近づいていくときに、最も腸腰筋がはたらくからです。


そこだけはしっかり覚えておいてくださいね。


さてそれを知ってもらった上で、ここでは、腸腰筋を鍛える具体的なトレーニングメニューを2つご紹介しておきます。

ライイング・シングルレイズ

腸腰筋を鍛える一つ目のトレーニングは、ライイング・シングルレイズです。


本来は、上向きに寝た状態で手足を伸ばしていくトレーニングですが、腸腰筋に意識を集中するために、足だけの動作で行ないましょう。


やり方を解説していきますね。まずは上向きで寝て、足を90度に持ち上げましょう。

このとき、手は伸ばしていますが、最初はお腹に置いておいてもOKです。

さて、スタートポジションを取ったら、ゆっくり膝を伸ばしていきます。

そして、膝が伸びきったら、そこからゆっくりと、もとの位置に足を戻していきます。

この足を戻す動作をするときに、腸腰筋が働きます。


寝て行なうトレーニング動作なので、比較的正しく行ないやすいトレーニング動作です。


まずは、このライイングシングルレイズから、意識して丁寧に行なっていきましょう。

ハンギングレッグレイズ

では、もう一つの腸腰筋を鍛えるトレーニングをご紹介します。

もう一つのトレーニングメニューは、ハンギングレッグレイズです。


このハンギングレッグレイズは、ぶら下がってるため、足を持ち上げる動作をおこなうときに、重力がかかるので、その分強度は上がります。


やり方は以下の通りです。

まずは、鉄棒や身体を浮かせることができる場所をジムで探してください。

そして、身体が浮いた状態でゆっくりと、足を前に持ち上げていきましょう。

膝を曲げまま写真のように持ち上げてもいいですし、足を伸ばした状態で持ち上げるトレーニングもあります。


足を伸ばした方が、強度は高まりますので、筋力に合わせて試してみてください。

Toshi
どちらも太ももをお腹に近づける動作をしているトレーニングですよね。腸腰筋は身体の奥深くの筋肉なので、筋肉のイメージをしっかり持った上で、意識してトレーニングしていくようにしましょう。

多くの人が誤解している腸腰筋の間違った思い込み

いかがだったでしょうか。

腸腰筋のトレーニングチメニューをご紹介してきました。


最後に、腸腰筋についてもう少しだけ補足をして、この記事を終えたいと思います。


腸腰筋を鍛える上での注意点と思って、読んでください。

ただ、ここでお伝えしていることが最も大切になります。

ちゃんと読んでくださいね。



ここまで腸腰筋のトレーニングのやり方をご紹介してきたので、あなたは早速やってみようと思っているかもしれません。


そこで、一つだけ気をつけて欲しいのは、とりあえず闇雲に腸腰筋を鍛えたり、またストレッチをすればいいかというと、そういう訳ではないんですね。



ここまで鍛え方やトレーニングメニューを書いてきたのに、何言っているの?と思ったかもしれません。


もう少し具体的に説明していきますね。


例えば、テレビなどでは、足の速い人ほど腸腰筋が発達しているという報道があります。


けど、冷静に考えてみてください。

いくら足の速い人が、腸腰筋が発達しているといっても、じゃあ腸腰筋を発達させれば、足が速くなる訳ではありません。



これは、例えるなら、プロゴルファーがやっているあのトレーニングメニューをやれば、自分もプロになれると思い込むのと同じくらい危険な考え方です。



それと同じで、腰痛には腸腰筋を鍛えるのが効果的と聞いて、一生懸命鍛えようとする人も多いのですが、腸腰筋を鍛えて腰痛が治るのであれば、今ごろ腰痛に悩む人は、とっくにいなくなっていると思いませんか?



私のところには、腰痛に悩まない丈夫な身体を作っていきたいということで、トレーニング指導を受けに来られる方も多いです。


そして、みなさん腸腰筋については知っていて、一度はトレーニングやストレッチをしたことがある人ばかりです。


それでも腰痛が改善しなかったということで、相談に来られているんですね。


なぜこういうことが起こるのでしょうか。


それは、あくまで腸腰筋は数ある筋肉の一つにすぎないからです。


歩いたり、立ち上がったりなどの日常で行われる動作は、色々な筋肉が、バランスよく連動することで行われます。


一つの筋肉だけ強くしたところで、他の筋肉との連動性がなくなったり、使い方を忘れてしまえば、全く意味がありません。

むしろ逆効果になることさえあります。



大事なことは、「自分の場合は本当に腸腰筋を鍛えた方がいいのか」を見極めて、「他の筋力とのバランスを取りながら鍛えていくこと」です。



こればかりは、人によってアプローチの仕方は違ってくるので、割愛しますが、実際のトレーニング指導においても、腸腰筋からアプローチすることもあれば、ほとんどアプローチしないこともあります。



いやむしろ後者の方が多いかもしれません。



ですので、まずはここでご紹介したトレーニングやストレッチをしてみて、どういう変化があるのかに気をつけて観察していきましょう。


それによって、変化がないのであれば、別の対策を取らなければいけませんし、変化があったのであれば、それを継続しながらも、うまく全体とのバランスを取りながら、レベルアップをしていかなければいけません。



多くの人は、腸腰筋があたかもとても大切なキーマッスルのように考えてしまいがちです。


しかし、ここで伝えたかったのは、あくまであなたの身体の筋バランスや動作をみながら、アプローチをしていかないと、効果を出すのは難しいので、その点だけ留めておいてくださいね。

Toshi
ちょっと難しく思ったかもしれません。ただ、例えばテレビや雑誌などで腸腰筋が特集されるとき、必要以上に誇張されていることが多く、その筋肉を鍛えれば、もっと健康になれる、腰痛がなくなるなどと思い込んでしまう人も少なくありません。あくまで、あなたの身体がどのような状態かによって、鍛えたほうがいいのか、鍛えないでそれ以外のトレーニングをしたほうがいいのかが決まってくるので、そこだけは気をつけたくださいね。

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【全米スポーツ医学協会公認のパーソナルトレーナー】【動作改善のスペシャリスト】 順天堂大学スポーツ健康科学部卒業。 卒業後、身体をより良くするためには、なぜ人の身体が壊れるのかを知らないといけないと考え、オリンピックトレーナーの治療院で経験を積む。 その後独立。 そういった経験から、ただ魅せる身体作りをするのではなく、『スタイリッシュでかつ動ける身体』づくりをサポートするため、パーソナルトレーニングやセミナー活動、当サイトFit Axisメディアを運営している。分かりやすいトレーニング指導とコンディショニング整体を組み合わせる効率的なパーソナルトレーニングセッションや、豊富な事例から導き出されたセミナーが実践的だと好評。過去には最大700名の前でのセミナー実績がある。