太田 敏彦
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ゴルフのパフォーマンスアップのために、パーソナルトレーニングを受けている人はとても多いです。
パーソナルトレーニングの効果は、いろいろありますが、ゴルフのパフォーマンスアップにとても大きく影響するのもその一つ。
ここでは、ゴルフをより長く、より楽しんでいただくために、実際にパーソナルトレーニングで取り組んでいるゴルフパフォーマンスアップのトレーニングメニューについて、解説していきます。
こんなトレーニングは、体幹には効かない!
ゴルフをやっている方には、自分でトレーニングをしている人も決して少なくないと思います。
トレーニングをすることは、ゴルフだけでなく、健康にも大きく寄与するので、それはとてもいいことですよね。
しかし、実際にご相談を受けると、ゴルフの競技力アップが目的の一つであるにもかかわらず、意外とパフォーマンスアップにつながるようなメニューを組めていないケースも散見されます。
もしかしたら、あなたもこんな風に考えていませんか?
クランチやプランクなどで体幹さえ鍛えていれば大丈夫!?
サッカーの長友選手などの影響で、体幹トレーニングがとても流行りました。
たとえば、こんなタイプの身体を固定するプランクトレーニング。
横側の固定トレーニングだと、こちらですよね。
また、こういった腹筋トレーニングを、一生懸命しているかもしれません。
このようなトレーニングは、腹筋を単体でトレーニングをして、基礎筋力を作るには、一定の効果があるかもしれません。
しかし、ゴルフスイングにプラスに働くかというと、その影響はほとんどないでしょう。
ときには、マイナスに働くことさえあります。
とりあえずランニングだけしていれば大丈夫!?
ランニングは、昔から行われているとてもベーシックなトレーニングです。
野球などでも、昔は、足腰を強くするためにランニングを基礎的なトレーニングメニューに据えていました。
そういった風潮もあり、ゴルフは重いものを持ち上げるトレーニングではないからといって、走るトレーニングや自重トレーニングだけで、パフォーマンスを高めようとしている方も少なくありません。
よく誤解されることですが、ウエイトトレーニングをやると身体が重くなり、ゴルフスイングが鈍ってしまうということを言われる方もいます。
しかし、これは大きな間違いです。
詳しくは、こちらに記載していますが、ランニングとゴルフに求められる体力というのは、全く違ってきます。
バランスボールでインナーマッスルを鍛えていれば大丈夫!?
実はこのバランスボールは、ある人の影響で認知度が大きく高まりました。
もしかしたら、覚えている方もいるのではないでしょうか。
サッカーの中田英寿選手です。
一見、不安定なボールでバランスをとることは、バランス能力を養ううえでは、とても有効のようにみえます。
しかし、下の研究では、バランスボールなどのいわゆる体幹を鍛える器具を使ったトレーニングは、一般的なトレーニングよりも効果が低かったという結論に至っています。
Systematic review of core muscle activity during physical fitness exercises.
こういう実験結果は、これだけではなくいくつも出ています。
一般的には、バランスボールなどのように体幹が鍛えられるという印象が強い器具やトレーニングなども、意外とそうでないので、気をつけてください。
あくまで補助的な位置づけで、トレーニングの刺激を変えるためにたまにやる程度のスタンスで付き合う程度がいいでしょう。
ゴルフのパフォーマンスアップを実現するトレーニングメニューの作り方
じゃあ、パーソナルトレーニングではどのようなトレーニングを行ない、パフォーマンスを高めていくのか。
具体的なトレーニングを説明する前に、メニューを組む上での考え方を共有します。
なぜかというと、トレーニングをする上で、それがとても大切だからです。
『なぜこのトレーニングをやるのか』『このトレーニングの何がゴルフにつながるのか』などを意識してトレーニングをすることが、効果を出す上でとても大事です。
ここを理解していないと、同じトレーニングメニューをやっても、ゴルフのパフォーマンスアップにはつながらないので、ぜひ押さえてほしいと思います。
上であげたようなトレーニング例で、なぜゴルフにつながらないかというと、「ただなんとなく筋肉が強くなれば、パフォーマンスが上がる」と思っているから、というのも理由の1つです。
じゃあ、どういう考え方でトレーニングメニューを作っていけばいいのでしょうか。
それは、ゴルフの競技動作(スイング)から、必要な能力を考え、トレーニングメニューを組み立てていくということです。
ゴルフスイングは、身体を回旋させることによって、パワーを生み出し、その捻転力をボールに伝えて、飛ばしていく競技ですよね。
一瞬の競技動作というのもポイントで、その競技時間から必要な体力というのも、想像がつくのではないでしょうか。
ランニングで鍛えられるのは、長くスタミナを維持する能力であって、最大パワーには何ら影響しません。
また、上であげたような全身を固めて保持するような体幹トレーニングばかりでは、しなやかな身体の使い方でスイング動作を求められるゴルフにはマイナスになることもあるというのも、ご理解していただけるかと思います。
逆に言えば、このゴルフスイングの特徴から考え出したメニューであれば、効率的にパフォーマンスアップが実現できます。
そして、ゴルフスイングの特徴を一部ご紹介すると、『回旋』と『最大パワー』という言葉がトレーニングメニューを作るためのポイントになりますので、
パーソナルトレーニングでおこなうゴルフの競技力アップのトレーニングメニュー
スイングで軸ブレしないためのトレーニングメニュー
まず、『回旋トレーニング』について、解説していきます。
回旋トレーニングと聞くと、腹筋トレーニングではツイストをやるようにしている、という人も多いかもしれませんね。
腹筋のツイスト系のトレーニングは、ゴルフに必要な体幹トレーニングで、よくやってしまいがちです。
もしかしたら、これを読んでいるあなたも一生懸命やっていませんか?
ツイスト系の腹筋トレーニングは、捻転動作が入るから、ゴルフには効果的なトレーニングに思えてしまいますよね。
しかし、ツイスト動作で腹斜筋をいくら鍛えても、スイングの飛距離が伸びるわけではありません。
なぜなら、スイングの捻転のパワーは、下半身によって生み出され流ので、腹斜筋は、捻転パワーを生み出すことに使われないからです。
では、腹斜筋は、ゴルフスイングにおいてどのように使われるのかというと、下半身によって生み出された捻転のパワーを制御することに使われます。
腹斜筋は、回転のスピードを抑えるときに働くんですね。
この制御が正しく働かないないと、腰を痛めるリスクが高まってしまいます。
それを防ぐためのトレーニングでおすすめしたいのが、こちらのトレーニングです。
このように、横からケーブル(チューブ)をセットして胸の前で保持します。
そして、腕を伸ばしていきます。
これで、キープしたり、ここからスクワットをしたりして、トレーニングにつなげていきます。
なぜこれが重要かというと、ケーブル(チューブ)を横に保持することで、ケーブル(チューブ)は、僕に回旋の負荷を加えます。
(要は、ケーブルが僕を回そうとするんですね)
それに耐えながら、腕を伸ばしたりすることで、回旋に対してブレない能力を獲得することができます。
このトレーニングは、捻転のパワーを制御するトレーニングの一例ですが、回旋抵抗の原理さえおさえていれば、ケーブルに限らず、チューブで代用したり、また自重でもトレーニングメニューをつくることができます。
ぜひ、おさえておいてください。
飛距離アップのためのトレーニングメニュー
上の項目では、どちらかというと、ゴルフの疾患リスクを抑えるためのトレーニングをご紹介しました。
ここでは、飛距離アップのためのトレーニングメニューをご紹介していきます。
飛距離アップのためには、スクワットはマストトレーニングです。
なぜかというと、スイングのパワーは下半身の力で決まるからです。
もっと言えば、下半身というより、股関節の生み出すパワーが、飛距離に影響します。
そして、これは意外に思われるかもしれませんが、普通の腹筋トレーニングよりもスクワットの方が体幹を鍛えられるという研究データも出ています。
Systematic Review of Core Muscle Activity During Physical Fitness Exercises
このあたりは、研究データなどを見なくても、トレーニングに慣れてくると体感として分かるところかと思います。
実際、アスリートも体感だけを鍛えているという人は、少なかったりします。
股関節の力も強化でき、体幹も同時に鍛えることができるからこそ、ぜひ積極的に取り組みたいトレーニングの一つなんですね。
体幹までしっかり鍛えて、飛距離を伸ばしたいのなら、バーベルを持ってスクワットをすることを基本トレーニングにしましょう。
たまたますぐに添付できる動画がこの動画でしたが、重いものを挙げることが大事ではなく、あくまでフォームを崩さず正しくトレーニングしていくことを最優先しましょう。
悪いフォームの例をあげておくと、このように股関節が使われず、膝関節がメインに使われたスクワットは、膝を痛める原因になってしまいます。
また、バーベルを担いでいる状態で、このように体幹を保持できていなかったら腰を痛めてしまいます。
正しいフォームを意識して、取り組めば素晴らしいトレーニングですので、積極的に行いましょう。
ちなみにスクワットのバリエーションの一つとして、このゴルフスクワットは競技特性をさらに活かしたトレーニングですので、こちらのトレーニングもたまに取り入れると、より効果的です。
ゴルフ仕様の身体をつくるトレーニング戦略について
さて、いかがだったでしょうか。
今回は、ちょっとしたトレーニングメニューと、メニューを作るうえでの考え方について解説しました。
ゴルフのパフォーマンスアップのためのトレーニング戦略を、もう少し知りたい場合は、こちらの記事もご参考ください。
また、パーソナルトレーニングはゴルフパフォーマンスアップを効率的な手段です。
多くの人は、スイングのスキルを高めるためにスイング練習ばかりをしてしまいがちですが、そもそも身体の基礎的な体力やそれらを使いこなせないと、いくらスイング練習をやってもミスマッチが起こり、効率が悪かったり、かえって怪我をしてしまうことも。
パーソナルトレーニングの効果は、それ以外にも色々とあるので、ゴルフをやっている人は、受けておいて損はないかと。
ぜひご参考ください。
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野球選手が素振りだけを練習しないように、ゴルフにおいて良いスイングができるかどうかは、身体の基礎能力に大きく影響します。
それは、単純に筋力や柔軟性を高めればいいという訳ではありません。
連動性(コーディネーション能力)も含めた身体の使い方など、バランスよくトレーニングすることで、怪我のリスクを抑えながら、ゴルフに活きる身体をつくることができます。
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