太田 敏彦
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腰痛といっても、色々な種類がありますが、その中でも椎間板ヘルニアは、代表的な腰痛の一種ではないでしょうか。
私も競技をやっていた現役時代に腰を痛めたとき、椎間板ヘルニアの診断を受けたことがあります。
症状は人によって様々ですが、腰だけではなく、お尻や足先、股関節周りに痺れ(しびれ)が出たりもします。
私も思い返してみると、症状がひどいときは、日常生活も普通に送れなかった記憶があります。
座っていると股関節の横あたりに痺れが出て、ずっと座っていられなかったり、また洗面所で顔を洗うのがきつかったり、さらには靴下を履くのも一苦労。
今では、全く腰に不安なく、日常生活も送れています。
その上、パーソナルトレーナーとしてジムで、椎間板ヘルニアや腰痛で悩んでいる方をサポートしたりもしています。
もしかしたら、これを読んでいるあなたも椎間板ヘルニアで悩んでいるかもしれません。
そこで今回は、椎間板ヘルニアの場合、ジムなどでトレーニングをした方がいいのか、といった疑問や、実際にジムでどういったトレーニングをやったらいいのかなどを解説していきます。
椎間板ヘルニアはジムトレーニングをしてもいい?
ご存知の方も多いと思いますが、椎間板ヘルニアというのは、背骨の間にあるクッションのような役割をする椎間板が飛び出てしまって、神経を圧迫している状態を言います。
そして、それによって足に痺れがあったり、また力が入りにくくなることもあります。
ですので、どれくらい神経を圧迫しているのか、またどの程度痛みがあるのかというのは、人によって大きく違います。
そのためもし、トレーニングをして椎間板ヘルニアを改善していきたいと考えているのであれば、まずは医師に相談することをお勧めします。
決して自分の感覚だけで判断しないでくださいね。
椎間板ヘルニアは、画像所見である程度わかります。
MRIやレントゲンなどでみてみないと、どれくらい椎間板が飛び出ているのか、もしくは正常なのというのは、分からないですもんね。
MRIやレントゲンなどを受けた上で、運動やジムでトレーニングをしてもいいかを聞き、トレーニングをするのが最も安全です。
「病院に行っても、湿布をもらうだけで、なかなか改善しない」とおっしゃる方もいますが、それでも正しく原因を把握しない限りは、対策は取れません。
手間だったとしても、一度は病院に行き、診断を受けてくださいね。
なぜ椎間板ヘルニアには筋トレが有効なのか?
もし医師に相談して、運動を勧められたら、まずは筋トレに取り組むことをお勧めします。
筋トレと聞くと、キツいトレーニングを想像してしまい、そんなに体に負荷をかけて大丈夫か不安な方もいるかもしれません。
確かに、ウォーキングをしたり、ちょっとした体操やストレッチも椎間板ヘルニアや腰痛を緩和していくには、場合によっては効果的です。
しかし、これらの運動は、あくまでただ身体を動かす程度。
血流が多少は良くなって、症状が緩和することもあるかもしれません。
しかしウォーキングや体操では、筋肉をつけるほどの負荷はかからないんですね。
なぜ筋肉をつけた方がいいのかというと、理由は2つあります。
1つ目の理由は、筋肉をつけないと椎間板の負担が軽減されないからです。
筋肉をつけることも、腰の負担を減らすにはとても大切です。
ですので、筋肉をつけるためには、いくらウォーキングや腰痛体操をやっていても、筋トレをしない限りはつかないので、積極的に筋トレを取り入れていきましょう。
では、もう1つの筋肉をつけた方がいい理由もご説明していきますね。
椎間板ヘルニアは、腰椎(腰の部分の背骨)の配置バランスが崩れていることで起こります。
なぜこの配置が崩れるのかというと、正しい姿勢を維持する筋肉がなかったり、また正しく身体を動かせないからです。
ですので、間違った姿勢で、また正しく体が動かせない状態なのに、ただウォーキングを一生懸命やっていても、あくまで対処療法になってしまいます。
ぜひ筋トレと組み合わせて、椎間板ヘルニアと向き合っていくことをおすすめします。
椎間板ヘルニアに負けない腰を作るためのジムでの正しい筋トレ法
椎間板ヘルニアに負けない腰を作る『ニーシット・クランチ』
クランチトレーニングは、腹筋の代表的なトレーニングです。
椎間板ヘルニア持ちの方は、痛みや痺れの症状の影響もあり、腹筋の筋力が衰えがちです。
ですので、腹筋の筋力不足を解消するのに、このトレーニングは欠かせません。
やり方は、簡単です。
まず上向きに寝て、股関節の膝をそれぞれ90度に曲げましょう。
この写真では、足を浮かせていますが、最初は椅子などに足を置いておこないます。
その理由としては、腰の負担を減らすことと、腹筋を意識することに集中することができるからです。
足が浮いていると、最初はそれをキープするのにも、多少集中力を割かなければいけないですからね。
セットポジションをとったら、ゆっくり肩甲骨を浮かせていきます。
この時に出来るだけ首が前後に動かないようにしましょう。
腹筋の筋力が少ないと、首が頑張って、起き上がろうとしてしまいます。
その場合、腹筋トレーニングというより、首のトレーニングになってしまうので、椎間板ヘルニアを改善する効果は、薄れてしまいます。
とても大切なポイントなので、気をつけてくださいね。
椎間板ヘルニアに負けない腰を作る『4point-ダイアゴナルエルボーニー』
このトレーニングもおすすめです。
なぜかというと、そもそも四つん這いのポジションを正しくとるだけで、体幹をある程度使わないといけません。
そして、その状態で、片手や片足を曲げたり伸ばしたりすることで、さらに不安定さが増し、体幹を鍛えることができるからです。
では、やり方をご説明していきますね。
まずは、写真のように四つん這いのポジションを取りましょう。
目安としては、肩の真下に手がくるように、骨盤の真下に膝がくるようにセットします。
その状態からゆっくり片手ともう片方の足をくっつけていきます。
そして、バランスをとりながら今度は、そのくっつけていた手足を伸ばしていきましょう。
椎間板ヘルニアに負けない腰を作るリバースロールアップ
リバース・ロールアップは、腰のストレッチをしながら、同時に、腹筋もトレーニングできる、とても優れたトレーニングメニューです。
正しくトレーニングできれば、キツいトレーニングではありますが、初心者の方でも、自分で強度を調節することができますので、ぜひトレーニングに取り入れてみましょう。
では、やり方を解説していきますね。
まずは、腹筋台かベンチ台に寝ていただきます。
もしご自宅などでおこなう場合は、何かつかまることができる場所で上向きに寝るようにします。
そして、背骨を一本一本、腰から浮かせるようにして、背中を丸めていきましょう。
だいたい背中の真ん中あたりまで浮かせたら、ゆっくりと下ろしていきます。
この下ろしていくときの動作がとても大切で、浮かせた下半身の重さをしっかりとお腹で支えながら下ろしていきます。
もし筋力が不足していて、コントロールが難しいときは、腕などでサポートしておこなってください。
腕のサポート加減で、強度を調節することができます。
筋力に自信がなくても、腰のストレッチにもなりますので、腰を伸ばしながら、徐々に筋力をつけていきましょう!
椎間板ヘルニアに負けない腰を作るホールディング・デッドリフト
このトレーニングは腰の痛みが出はじめた急性期というよりは、痛みが落ち着いてある程度動けるようになってから取り組みたいトレーニングです。
デッドリフトは、体幹を安定させながら、股関節を使わなければいけないトレーニングです。
重い物を持ち上げるときに、ぎっくり腰など、腰を痛める方も多いのですが、腰を痛める原因の一つは、体幹を安定させることができなかったり、股関節を使えず腰を使って、持ち上げてしまっているのがきっかけで起きているケースが多いです。
そのため、このデッドリフトを正しくおこなうことができれば、そういったケースで腰を痛めるリスクを圧倒的に落とすことができます。
やり方は、ダンベルなどを使い、胸に抱え込むように持ちます。
通常のダンベルデッドリフトは、腕を下に下ろした状態でダンベルを持つのですが、胸に抱えこむことによって、その分腰の負担を下げることができます。
そして、そこから姿勢をキープしたまま、ゆっくり上半身を曲げていきます。
このとき腰は丸まらないようにしてくださいね。
ダンベルを抱え込んでいるとはいえ、それでもしっかりと体幹を使わないと、姿勢をキープすることはできませんが、逆に言えば、正しく体幹や股関節を使うのに、とても有効なトレーニングです。
最初は重さを軽くしたりして、正しい動作を習得することにも積極的におこないましょう。
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